鶏小屋を安く丈夫につくるコツ、DIY鶏小屋の事例と反省点 | 東葛育児録
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鶏小屋を安く丈夫につくるコツ、DIY鶏小屋の事例と反省点

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ニワトリ飼育

鶏を屋内で飼育するのはいろいろと困難なので、鶏は外に鶏小屋を設置して飼育する方法が一般的です。
鶏小屋にはいろいろな種類があり、既製品もありますが、DIY でつくることも一般的です。

ここでは、鶏小屋作成に関するあれこれを紹介したいと思います。ちなみに私は土木系の大学を出ているので、実務経験を積めば2級建築士になる資格がある程度の建築知識があります。

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鶏小屋に求められること

鶏にとって快適な鶏小屋は、どのような条件を満たしている必要があるのでしょうか。

鶏の生活では、食べて、糞をして、寝て、産卵して、日光浴をして、土浴びをするので、それらが快適にできる空間が求められます。鶏小屋ですべてを完結させることもできますが、日中に小屋から出してあげられる場合には、土浴びや運動のスぺースは小屋の外に確保しても良いでしょう。

どんな鶏小屋にも求められる条件は、以下のとおりです。

  1. 外敵から守られる
  2. 風雨を避けられる
  3. 風通しが良い
  4. 暑さ・寒さを避けられる

これらのうち、1 については、大切なニワトリを獣害から守るための4つの注意点という記事に詳しく書いています。

4 の暑さ対策については、ニワトリ小屋の暑さ対策【屋根断熱と温度調査結果】という記事に詳しく書いています。

必要に応じて確保することが望ましい条件は、以下のとおりです。

  • 産卵室がある
  • 止まり木がある(寝るため)
  • 日当たりが良い
  • 運動できるスペースがある
  • 土浴びできる

これらは養鶏場にはなかったりしますが、鶏の健康とストレス解消のためにはどれも重要です。

鶏小屋の広さについては、以下の記事に書いています。

鶏小屋の広さの目安はどのくらい?

鶏小屋は上記の条件を満たすことができれば何でもよいので、いろいろな方法があります。

たとえば、南面の深い軒下に設置できるのであれば、丈夫な屋根が不要になり、かんたんなケージや小屋で済むでしょう。
南面の軒下であれば、夏の暑い日差しを避け、冬は日光が入るようにできるからです。

既製品の鶏小屋を見る

鶏小屋は DIY で作ることが一般的ですが、既製品もあります。

ネットで鶏小屋を検索すると、ケージから百万円以上する立派な木製鶏小屋まで、さまざまなタイプが見つかります。
作る場合であっても形状やサイズなど参考になる点も多いので、目に付いた鶏小屋をいくつか紹介したいと思います。

まず良いなと思ったのが、アメリカのペット用品メーカー New Age Pet の鶏小屋です。

すべての機能を持たせた鶏小屋は、このような形状に落ち着くのかもしれません。
アメリカ製なので造りが雑なのではないかという不安もありますが、網にステンレスが使われていること(亜鉛引きが一般的)と、広々としたサイズが確保されていること(W190 D76 H118cm)には好感が持てます。
これで 5羽飼っているというコメントもありました。

多少値が張るのが難点であり、木造では、似たような形状で次のような鶏小屋もあります。

こちらはやや小ぶり(W168 D61 H103cm)ですが、細かいサイズが書かれており、DIY の参考になります。
この商品は同じ商品画像でいろいろなサイトで販売されており、価格に結構な差があるのが気になるところです。

屋根が不要な場所に設置する場合は、大型の金属製ケージも使えます。

最後に紹介したいのは、日本のチキントラクター(移動式の鶏小屋)です。
これは雑草対策になるだけでなく、さまざまな工夫がみられるので、以下のサイトをご覧になることをお勧めします。

【チキントラクターの製造・販売】天然・自然の除草・草刈り機
チキントラクターは、ガソリンも電気も使わない、自然の草刈り機。チキントラクターの導入検討は私たちにおまかせください。ご要望に合わせたカスタマイズ製造から販売まで。自然とヒト。いい関係。循環型創造スタイルを提案する、SAPGREEN(サップグ...

その他のさまざまな鶏小屋やその作り方は、YouTube で探すとたくさん見つかります。
海外の鶏小屋は、「chicken coop」で検索してみてください。

とにかく安くニワトリ小屋を作るヒント

鶏小屋は、ある程度大きく作ろうとすると、それなりに費用がかかります。
それでも極力お金をかけたくない場合にお勧めなのは、ラティスを使う方法と、百均のワイヤーネットを使用する方法です。

ラティス(以下はイメージ)は、ホームセンターで 1 畳ほどのサイズが 2 千円ほどで売られており、通気性のある丈夫な面構造をかんたんにつくることができます。目が大きいので、さらにネットや金網で覆うことで防獣対策を施します。

関連 ニワトリ飼育で防鳥、柵、鳥インフルエンザ対策などに使える防獣ネット

ワイヤーネット(ワイヤーラティス)は、百円ショップで2百円ほどで売られているものです(以下の楽天ショップでも販売されていました)。大きいサイズのワイヤーネットを屋外用の結束バンドで固定してボックス構造をつくれば、安価にバードケージをつくることができます。


ワイヤーネット Cタイプ Wire Net series 58.5×26.5cm

「ワイヤーネット ケージ」などで調べてみてください。

私も簡易チキントラクターをつくるのに、ダイソーのワイヤーネットを使ってみました。うまく組み合わせないとたわむし、屋外でどれだけ長持ちするかは不明ですが、使い方次第では意外と丈夫になる印象です。

わが家の鶏小屋の紹介

参考までに、私がつくった鶏小屋は、こんな感じです。大きさは幅と奥行きが約1m です。

右上手前が産卵室で、外から卵の有無を目視し、戸を開けて卵を回収できるようにしました。
産卵室へは、止まり木からピョンっとジャンプして入っています。

夜はこんな感じで「ござ」を吊るしてロープで固定し、外敵(猫)からの視線と風を防ぐようにしています(冬はさらに風上の面を段ボールで囲んでいます)。

昼にニワトリを放していると、毎日日没のタイミングで自ら小屋に戻り、止まり木で休んでいます。

大雛の頃はジャンプ力が高く、小屋の屋根に飛び乗ることもありましたが、成鶏になってからは乗らなくなりました。

この鶏小屋で工夫した点は以下のとおりです。

工法の工夫

この鶏小屋は、ツーバイフォー工法(Wikipedia)を参考にしました。ツーバイフォー工法とは、枠材に板を張り付けた壁を組み合わせる工法で、木材の複雑なカットが必要ないため、ノコギリと釘(私はコーススレッドを使用しました)だけで強固な構造をつくることができます。

厳密なツーバイフォー工法ではなく、一部を取り入れた感じですが、枠材に板(9mm厚の合板)を張り付けたことにより、水平方向の荷重に強くなっています(筋交いの代わり)。

強度には自信があり、屋根を付ける際に上に乗っても安定していたし、何度か台風が来ても全く問題ありませんでした。

は防獣対策と耐久性を考慮し、高床式にしました(詳細)が、夏の暑さ対策や土浴びには地面むき出しのほうがよいので、これには一長一短があります。

小屋はコンクリートブロックの上に乗せているだけなので、季節ごとに快適な位置に移動できる特長もあります。

全面の壁の下から 30cm に板を張ったのは、強度のためと、外敵からの視線を遮るためです。ただしこれは、ネコにとっては十分な高さではありませんでした。

関連 鶏小屋付近に出没した天敵の野生動物たち【防犯カメラ画像】

実際のところ、板張りは、中に敷いた腐葉土がニワトリによって小屋の外に蹴っ飛ばされるのを防ぐことに効果を発揮しています(これでも土が減っていきます)。

木材を節約する工夫

小屋を作り始めた頃からウッドショックで木材が高くなっていたため、木材は安いツーバイフォー材を主に採用しました(一部は杉板)。しかも、ツーバイフォー(2×4)は小さな小屋には太すぎるため、丸ノコで半分に切り、ツーバイツー(2×2)にして使用しました(土台は 2×4 材のまま根太レス工法にしました)。

耐久性を確保する工夫

耐久性を確保するために重要なのは、構造材が常に水分を含むことがないようにすることです(一時的なら問題ない)。

高床式にしたことで、土台の木材も網も土に触れないため、シロアリやサビに強くなっています。

なお、どうしても木材が土に触れる場合は、ACQ材を使用するのがお勧めです。

雨水が染みないことも大事なので、屋根は大きめ(軒の出20cmほど)にしました。私が頭をぶつけてしまうのが難点ですが、強い雨が降っても小屋本体にはほとんど雨がかからないため、壁面に段ボールを張ってもボロボロにならず、ひと冬の間使用することができます。

屋根の工夫ポイント

屋根はトタン波板が安いので一般的ですが、デザインと機能を考慮し、オンデュリンを採用しました。

これは大き目のホームセンターではだいたい扱っており、自分でカットして設置することができます。
強度や耐久性も良く、雹が降っても大丈夫でした。

屋根は垂木に直接設置することが多そうですが、夏は非常に熱くなるため、構造用合板(9mm厚)を野地板として使用しました。地面の土で涼むことができないぶん、頭上は涼しくしてあげたいので。

詳細 ニワトリ小屋の暑さ対策【屋根断熱と温度調査結果】

金網の工夫ポイント

金網は亜鉛引きの亀甲金網(網目 26mm)を使用し、たくさん買って余ったので二重にしました。

金網の詳細は「鶏小屋の金網はどんな種類を選ぶべき?」に書いており、このページの続きに書いた「金網を木枠に固定する際の注意点」も重要なので、お読みください。

DIY鶏小屋の反省点

自分で作った DIY 鶏小屋は、鶏を飼う前に考えて初めて作った物なので、反省点もあります。

一つは、金網の固定方法です。柱に対して合板を貼り付けるような工法にしたのだから、合板を張る際に金網を挟み込めばよかったな、と。その方法なら、当て板をするのと同様に、強固に固定できます。

もう一つの反省点は、材料費がかかりすぎてしまったことです。材料費は確か2万円くらいだったと思いますが、そのうち約半分は金網代です。太い金網が使う分だけのカット販売で売っていなかったために大量に買ってしまったのですが、#20の亜鉛引き金網を二重にして強固に固定すれば、それで問題なかったかもしれません。

あるいは、バーベキュー用の大型金網を4つくらい購入して窓のように使い、それ以外を合板で囲むようにしたほうが、安上がりになったかもしれません。

ちなみに材料費が次にかかったのは屋根回りですが、これは後悔はしていません。

後は細かいところですが、小屋内に腐葉土を敷いたため、出入り口の扉の下に土が移動してたまってしまい、締まりが悪くなる問題がありました。扉の下のスペースに余裕を持たせたり、戸当たりの位置を高くすればよかったと後悔しています。

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