大切なニワトリを獣害から守るための4つの注意点

飼育

ニワトリを外で飼育する際は、ニワトリ小屋やケージが欠かせません。それも、ニワトリを狙う数多くの天敵から守ることができる高セキュリティな鶏小屋が必要です。

鶏小屋に弱点があり、悲しくも野生生物に襲われてしまった事例はかなり多く発生しています。

ここでは、調べた資料に基づき、安全な鶏小屋をつくるための注意点を紹介したいと思います。

最初に確認したいニワトリの天敵

鶏の天敵はそこらじゅうに居ます。都会でも、猫、カラス、ハクビシン、タヌキなどは当たり前のように棲息しています。

チョウセンイタチ(中部以西)やアライグマなどが出るところもあります。

もっと自然が豊かなところだと、ヘビ、トンビ、イタチ、テン、アナグマやキツネ、クマなども問題になります。

これらの野生生物がお腹を空かせた状態でニワトリを見つけると、どうにかして侵入し、食べようとします。
そのため、通常の侵入防止策以上に徹底した対策が必要になります。

これらの対策は共通することも多いですが、特別な注意が必要になる場合もあります。

ハクビシンは 5cm ほどのすき間があれば侵入することができます。
イタチなどは、3cm 四方のすき間からも侵入できるそうです。
これらの天敵がいる場合、その大きさのすき間を徹底的になくしておく必要があります。

また、アナグマなど穴を掘る動物も多く、地下を掘って鶏小屋に侵入する事件も多々発生しています。

まずは、お住まいの地域の博物館や動物園、およびその Web サイトなどをチェックし、どんな生物がいるのかを確認することをお勧めします。

ちなみに千葉県北西部では、ネコ、ハクビシン、タヌキが多く、ヘビも少し居ます。水辺にはイタチもいるし、アライグマも出没情報があります。

市販の鳥かご・ペットケージは要注意

ペットショップなどには鳥用に限らず大型のケージが販売されていますが、これらを鶏小屋として使用する場合には注意が必要です。

雨に濡れる屋外での使用が想定されていなかったり、一見細かく見えるワイヤーでも、イタチなどは広げて侵入することができるからです。

ネコや犬ならイタチにやられることは珍しいでしょうが、ニワトリはイタチに簡単にやられてしまいます。

格子上で溶接され、押し拡げても3cm のすき間もできないケージを使用すればよいですが、そのようなペットケージはなかなかありません。もし、ペットケージを使用するのであれば、さらに金網を張るなどの対策が必要でしょう。

鶏小屋の金網はどんな種類を選ぶべき?

ニワトリ小屋によく使われ、そして狙われやすいのは、金網です。
特に注意が必要なのは、緑色のビニール亀甲金網です(黒色、白色なども同じです)。

ホームセンターに行くと切り売りしていますが、問題はその強度です。

被害の多い緑色のビニール亀甲金網

ビニール被膜に覆われた亀甲金網はサビにくく、安くて入手しやすいので鶏小屋にもよく使われています。
しかし、亀甲金網にも種類があり、一般によく売られている番手 #20 のビニール亀甲金網では弱すぎます

この亀甲金網を使用していて小動物に侵入された例は、検索すると多数見つかります。

対馬野生生物保護センターが鶏小屋の被害調査を行った結果がこちらのページで公開されているのですが、「金網(特にビニールで覆われた1mm以下の金網)」をかみ破られるケースは多いそうです。

鶏小屋に必要な金網の線径は?

#20のビニール亀甲金網は線径が 1mm もなく、ビニールを含まない鉄芯の線径はさらに一回り細いため、強度的に問題があります。

芯の線径が 1mm を超えるのは、おそらくビニール亀甲金網であれば番手 #16(線径1.5mm程度)、#14(線径1.9mm程度)です。
出典を忘れましたが、養鶏関連の書籍でも #14 や #16 の番手が推奨されているという情報を見たことがあります。

これらは通常15mや30mの単位で販売されており、ホームセンターで気軽に少量だけ購入することができないのが難点ですが、ニワトリを守るためにはこだわりたいところです。

なお、亀甲金網にも種類があり、亜鉛メッキで錆対策を行っている亜鉛亀甲金網では、#18 以下の番手でおおよそ線径 1mm 以上となるようです。価格帯は同程度です。

近所のホームセンター(ジョイフル本田の大型店を含む)をチェックしたところ、これらの太い亀甲金網は販売されていませんでした。
#20 の亜鉛亀甲金網であれば切り売りを行っていて、1m あたり 500 円程度と安価でした。線径は 0.7 mm ほどでしたが、#20 のビニール亀甲金網よりは丈夫そうだったので、これを二重三重にすればビニール亀甲よりはマシになりそうです(私は不安が残ったので使いませんでした)。

また、ステンレス製の亀甲金網は高価ですが、1m 単位などで購入できるところもあるので、少量でよい場合にはお勧めです。

なお、網の種類は亀甲金網だけでなく、クリンプ網も使えます。バーベキュー用の金網(最大で 60x90cm くらい)を利用する方もいるようです。

鶏小屋の網目の大きさは?

悩むのが鶏小屋の網目の大きさです。細かすぎると羽根などが目詰まりしやすくなるし、金網の値段も高くつきます。また、太い線径の金網は、細かい目開きが販売されていないこともあります。

一方、網目が大きすぎるとイタチやヘビ、スズメなどの侵入が気になりますし、ニワトリが網の間から顔を出して襲われる危険もあります。目合40mmの亀甲金網はハクビシンの侵入を防げたものの、網を噛み切ろうという行動が観察されたという論文もありました。

イタチは近隣では目撃情報がないものの、30mm のすき間も通ることができるというので、私は 26mm の目開きの金網を購入しましたが、ヘビなども心配になり、結局二重に張ることにしました。
迷ったら、20 mm くらいがお勧めです。

金網を木枠に固定する際の注意点

せっかく高強度の金網を使用しても、金網の張り方が悪いと強度を発揮できません。鶏小屋への金網の張り方にも注意が必要です。

前出の被害調査によると、金網を釘で固定しているだけの小屋は網がゆるみやすく、被害が多かったそうです。

金網を木の枠に固定する方法としては、次のものがあります。

・又釘

・ステップル

・タッカー

私は最初、タッカーで留めましたが、金網を引っ張ってみると、タッカーの針はかんたんに抜けてしまいます。タッカーはあくまで補助的な固定手段と考えたほうがよさそうです。

そこで太さのあるステップルを使ってみましたが、これもまた、引っ張るとすぐに抜けてしまいます。打ち付けの方向を変えたりすると少しはマシかもしれませんが、抜けないためには、上から押さえつけておく必要があります。

そのためには、あて板を使うことが効果的です。上から余った合板などの板を打ち付ける(釘よりも抜けにくいコーススレッドがお勧め)ことにより、ステップルなどが抜けずに強度を発揮できるようになるだけでなく、金網の端の危険な部分を隠すこともできるので、一石二鳥です。

また、抜けない固定方法として、ネジ(コーススレッドやタッピングネジなど)に大きめワッシャーを通して金網を固定する方法もあります。外れないように金網にテンションがかかるようにして締め付ければ、けっこう強力な固定方法となります。どれも大してコストはかからないので、いろいろ組み合わせて試してみることをお勧めします。

なお、金網の作業には以下のグッズが役立ちます。

金切りばさみ:作業がラクになります。

革手袋:通常の軍手ではケガをします。

床からの侵入を防ぐために

ニワトリは砂浴びをするため、土の地面をそのまま利用する鶏小屋が多く、床から侵入される事件がよく発生しています。アナグマだけでなく、イタチやハクビシン、テン、キツネなども穴を掘ることがあるようです。小屋内のエサを狙ってドブネズミが穴を掘り、その穴を利用されることもあります。

側面は金網や板、コンクリートブロックなどを地中深く(30cmほど)まで埋め、ふさぐ必要があります。また、鉄や木材などの劣化する素材を使用する場合は、劣化していないか常に確認する必要もあります。

なお、床がコンクリートであったり、高床式の床を採用していれば、地中からの侵入は防ぐことができます。
私の場合、部材が土の地面に触れる構造では劣化が防げないと思い、高床式を採用しました。ツーバイフォー住宅などの剛床工法を参考に、ツーバイフォー材の根太に9mmの構造用合板を打ち付け、頑丈な床としました。

構造用合板は住宅に使用される木材なので、他の合板よりも強度・耐水性・耐久性に優れ、ホルムアルデヒドの放出量も低レベルです。弱い合板だとイタチなどに噛み砕かれることもあるので、屋根の野地板、産卵室など、鶏小屋のどの部位にもお勧めです。価格も高くありませんし。

鶏小屋では外敵から見えないように地面から50cm程度を目隠しすることが推奨されていますが、この目隠しにも構造用合板(2級特類など)は便利です。柱に 10cm 間隔とかで細かく釘打ちすれば、耐震・耐風力を高めることもできます。

最後に、鶏被害と小屋の実態を調査した対馬野生生物保護センターのこちらのページも一読をお勧めします。ここに書き切れなかった安全な鳥小屋のヒントがイラストとともに紹介されています。

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