稲作では水田にアイガモを放つアイガモ農法という農法がありますが、芝生にニワトリを放てば芝生の管理がラクになるのではないか。雑草を食べてくれるかも?
淡い期待をもって実践してみたので、その結果を報告したいと思います。
結論から書くと、確かに芝生の生長が抑制され、芝刈りの頻度が減るなどのメリットはあります。ただし、多少のデメリットもあります。
ニワトリは芝生や雑草を食べる?
ニワトリは芝生も雑草も食べます。
庭に放つと、足で芝をひっかいて虫を探すこともあれば、芝生をつついて食べることもあります。
あまりに高速なので何を食べているのかイマイチわからないのですが、糞を見ると草が混じっているので、草をたくさん食べていることは確実です。
口から草がぶら下がったままになっていることもあり、どうやら枯れ草も食べているようです。
雑草を選択的に食べてくれれば最高ですが、雑草にも好き嫌いがあり、食べ残された雑草はすくすくと育ってしまいます。
ニワトリを放った芝生とそうでない芝生の比較
左側半分が冬から春にかけてニワトリを放ったゾーンで、右側はそうでないゾーンです(柵は除去しました)。
ニワトリを放ったゾーンでは土の色が見え、芝生の枯れ草が明らかに少ないことがわかります。
芝生にはサッチングという、枯れ草を除去する管理作業が必要ですが、ニワトリはこの仕事をこなしてくれたのでしょう。
また、写真ではよくわからないかもしれませんが、ニワトリのいた芝生のほうが、葉色が濃くなっています。
サッチングの影響か、鶏糞をまき散らしてくれた影響か、またはその両方でしょう。
芝生の成長に良い影響を与えていることがわかります。
ちなみに芝生があまり密でないのは、ノシバという品種であることと、やや日当たりが悪いせいだと思います。
次の画像も、ニワトリを放っているゾーン(左側)と、そうでないゾーン(右側)の写真です。
この写真でわかるかは微妙ですが、右側のほうが草丈が高く、左側のほうが芝のボリュームが少なくなっています。
通常、一カ月も放置すれば「芝刈りしないと!」となるのですが、その期間はやや伸びたような気がします。
芝生にとってのニワトリ放鳥のデメリット
以上がニワトリ放鳥のメリットですが、デメリットもあります。
ニワトリは芝をきれいにしたくて活動しているわけではないので、やはりムラが出ます。芝を食べまくった影響で、例年は芝生になっているところがハゲていたり、逆に芝を食べてくれなくて伸びてしまうところもあります。
全体の芝刈りの頻度は落ちても、際などはときどき手作業で刈り込んだほうがよいでしょう。
また、もう一つのデメリットとして、農薬を使いにくくなるという面があります。芝生には芝以外を枯らす除草剤など便利な農薬がたくさんありますが、ニワトリが食べるとなると使用に問題があることもあります。
農薬を使えないと、雑草を手で抜くことになり、少しだけ手間です。
そういうわけで、芝生のキレイさにトコトンこだわる人には、ニワトリの放鳥は向いていないでしょう。
逆に、芝生の管理にこだわらず、それなりの芝生を維持したいのであれば、ニワトリの放鳥はお勧めです(ただし、放鳥には出かけにくくなるデメリットもあります)。
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