クワガタは種類が多く、見分けるためには多少の知識が必要です。誤認しているケースも多く、近所の祭りでノコギリクワガタをミヤマクワガタと称して販売しているのを見つけたこともあります。
このような勘違いを撲滅するため、千葉県北西部で見られるクワガタを見つかりやすい順に紹介したいと思います。
コクワガタ
一番よく見つかるコクワガタですが、意外と間違えやすいクワガタでもあります。特に、同じオオクワガタ属(ドルクス)に属しているスジクワガタと、小型のヒラタクワガタ(後述)とはよく似ています。シンプルなアゴの形をよく覚えておきましょう。
メスは背中にスジが見えるため、図鑑で中途半端に知識があるとスジクワガタだと思ってしまいがちですが、ほとんどはコクワガタです。スジクワガタには、よりはっきりとしたスジがあります。
この写真では茶色っぽく見えますが、実際は黒く見えることが多いと思います。
オオクワガタ属のメスの判別は難しいので、厳密に確認したい場合は次のページが参考になります。
ノコギリクワガタ
次によく見かけるクワガタです。千葉県北西部で見つかるクワガタで唯一のノコギリクワガタ属であり、他のクワガタはすべてオオクワガタ属なので見間違えることは少ないと思います。オオクワガタ属と比べて赤茶色をしていることが多いです。
ミヤマクワガタ(最後に画像あり)とは、肩が出っ張っていないので簡単に判別できます。
小型だとアゴの形が異なり、別種かと思うほど似ていないので、その点は注意が必要です。
メスはずんぐりしていて茶色っぽいので、慣れると簡単に区別できます。
千葉県北西部で見つかるクワガタは、ほとんどが上記 2 種です。これをよく覚えておけば問題ないのですが、もしかしたら以下のクワガタが見つかることもあるかもしれません。
ヒラタクワガタ
千葉県では主に九十九里の沿岸部に生息しているようで、千葉県北西部でヒラタクワガタを見かけることはほとんどありません。私はそれらしき轢死体しか見たことがありませんが、北西部にも居ないことはないようです(河川敷など?)。
ヒラタクワガタは大型になる種類ではありますが、野生で見つかるのは小型の個体が多いため、コクワガタと誤認され見過ごされているケースも多いと思われます。小型では 2cm 程度しかない個体もいるので、コクワガタだと思っても念のため確認してみることをお勧めします。
コクワガタとの違いは、コクワガタが細長い体形をしているのに対し、ヒラタクワガタは横幅があります。オスはアゴの形で判別できます。
メスはツヤがあります。
スジクワガタ
コクワガタ亜属に属する、コクワガタよりも小型のクワガタです。なかなか見かけることはありませんが、局所的に分布しているようです。アゴの形が特徴的です。
オオクワガタ
オオクワガタは印旛沼周辺などにいたようですが、乱獲と開発が進んだ現在ではほとんど見ることはないでしょう。臆病な性格から、偶然でも素人がかんたんに見つけられるものではなさそうです。もし見かけたとしても、放虫個体である可能性を疑います。
京成大久保駅近くの専門店・習クワでは白井産のオオクワガタを扱っていますが、その経緯は以下のとおりです。
番外編:ミヤマクワガタ
ミヤマクワガタは深山(ミヤマ)の名の通り、標高の高い山に生息するクワガタです。暑さが大の苦手で、暑いとすぐに死んでしまうため、千葉県北西部で見かけることはまずないでしょう。千葉県でも、ヒルがいるような房総の山のほうまで行くと採集できるようです。