体罰に頼らない親の「しつけ」を考える

改正虐待防止法が成立し、2020年4月から親の体罰が禁止されます。心を痛める事件が多く発生しているなか、体罰が許されないことは重々理解しているつもりです。

しかし一方で、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの調査によると、「しつけ」のために体罰を容認する大人は過半数を超えているそうです。

どこまで許容されるのか

子どもと生活していると、叱らなければならないことはしょっちゅうあります。特に重要なことを伝えたいとき、いつまでもふざけた反応しか返ってこないときなどは、その深刻度の強弱をどうやって付けるのか、いつも悩みます。そうして悩んだ結果として、体罰をする人がいることは、感心はしませんが、理解はできます。

どこまでが許容され、どこからがアウトになるのか、今後の指針に注目しています。どんな小さな体罰でもエスカレートするからやってはいけないという意見を聞いたことがありますが、次のようなケースはどうでしょうか。

  • 漫才のツッコミ
  • 子どもから受ける暴力に対する、同程度以下の反撃(戦いごっこ)
  • 命の危険にかかわる緊急時の注意
  • 怒鳴ること、言葉の暴力

このようなものの扱いが気になるところです。

テレビを見ていると、仮面ライダーなどは非常にリアルで暴力的な描写が目立ちます(うちの子は刺激が強すぎて、自分から見たがりません)。それらに影響を受けてか、すぐに戦いごっこを始める子どもは、保育園にも公園にも、そこら中にいます。

最近では広く受け入れられているアニメ『クレヨンしんちゃん』でも、みさえは「げんこつ」や「グリグリ攻撃」を繰り出します(最近は減っている?)。このような親の対応は、アウトなのでしょうか。

保育園の先生などは、強い言葉を使うことはありますが、決して暴力をふるうことなく子どもたちに「怒ると怖い存在」と思われていて、さすがだなと感心します。しかし、親戚の保育士を見ていると、自分の子には「みさえ」レベルの体罰や脅迫を行っており、やはり「先生」と「親子」とでは違うのかな、とも思ってしまいます。

個人的な試み

私が考える基準としては、子どもが恐怖を感じるような「しつけ」はやってはいけないと思い、自粛しています。

その結果、舐められていたり、言うことを聞いてもらえないところはありますが、怖い存在ではなく、友達半分のような、基本的には頼りにされる関係が築けていると思っています。「恐れられる存在」も大事かもしれませんが、一人っ子のわが家では、友達に近い存在のほうが必要性が高いのかな、と。

また、あるときに気づいたのは、子どもがあまりに言うことを聞かないときは、逆に自分が子どもと満足に遊んでいないなど、子どもの不満がたまっているときが多いということです。

このことに気づいてからは、間違った行動を正すためにすぐに従わせようとするのではなく、いったん気分を晴らして、後から考えさせるようにすればいい、と思うようになりました。実際、そうしてみると、子どもは意外にも頭ではわかっていて、気づくといつの間にか成長していたりします。

それでも体罰をする理由?

それでも体罰をする正当な理由はないかと考えてみたところ、ないわけですが、思うことはあります。

完全非暴力は理想

暴力に頼らない解決策。これは非現実的な理想です。

現実には軍隊や警察という暴力組織は欠かせないし、一方的に暴力をふるわれることは未就学児の頃からよくあります。いくら何をされても反撃しないという方法もありますが、こうした「現実にある暴力」に対しては、対処法を身につけていったほうがよいと思います。危険な場所を避けたり、スポーツや筋トレで身体を鍛えて強そうに見せたり、格闘技を学んだり、言葉や態度でやり返したり、逃げたり周囲に頼ったり、相手に取り入ったり味方を増やしたりと、方法はさまざまです。

しかしこれは、親が暴力をふるう側になって教えることではないことは明らかです。親は子どもが問題に直面したときにサポートし、どうすればいいのか、各々に合った方法をいっしょに考えていくのがいいような気がします。

身体の痛みを知る?

「しつけ」として暴力をふるう側の理由としては、身体の痛みをわかってほしいという理由もあるのかもしれません。私としても、目つぶし・噛みつきはいけないということ、硬くて重いものを投げつけられたら痛いこと、股間を殴られたら痛いことなどは、子どもにわかってほしいと切に思います。身体の痛みがわかり、多少の共感力と自制心さえあれば、人に暴力をふるう人間にならないと思うからです。

このことを教えるのにも、親が暴力をふるう必要はありません。実際に身体を動かし、痛みを感じる経験をすれば済む話だからです。

では、痛みを感じる経験は、どうすれば積めるでしょうか。学校や保育園では安全ばかりを重視し、リスクや痛みを伴うことはやりたがりません。

このような経験を積む方法として思いつくのは、少し危険な遊具のある公園で遊んだり、アウトドア体験をすることです。大きくなってくるとあまり外に出たがらなくなったりすることもあるので、できるときにこのような体験をさせることこそが、親にしかできない重要な「しつけ」なのかな、と思っています。

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