わが家は塾に通わずZ会を中心に中学受験に挑戦していて、現在小5の冬(新小6)を迎えている状況です。
先日(2025年1月)、Z会で「志望校判断テスト」なるものを受験しました。
この結果(偏差値)は他塾の模試と比べると良かったのですが、そもそもこの偏差値や合格可能性をどう捉えてよいものかがはっきりしません。
というのも、SAPIXの模試であれば偏差値がかなり低くなるとか、四谷大塚や日能研は同じくらいで首都圏模試は高く出るなどの目安がわかりますが、Z会については情報が少なく、よくわからないからです。
Z会の志望校判断テストの偏差値は甘いという意見もみかけましたが、本当なのでしょうか。
そこで、志望校判断表に書かれた学校別の偏差値表を基に、Z会の実力テストや志望校判断テストの全体的なレベルや偏差値の傾向について検討してみました。
Z会の偏差値表の傾向
千葉県の御三家と開成について 80% 偏差値表の数値をピックアップしてみたところ、以下のようになっていました。
Z会 | SAPIX | 四谷大塚 | |
---|---|---|---|
開成 | 67 | 68 | 71 |
渋幕 | 64 | 65 | 70 |
市川 | 60 | 57 | 65 |
東邦 | 57 | 54 | 61 |
Z会の偏差値表は、一見すると不思議です。
最難関校である開成と渋幕の偏差値が、受験層のレベルが高いことで知られるSAPIXよりも低く出ているのです。
難関校に関しては、SAPIXと四谷大塚の中間くらいの偏差値となっています。
全体的にZ会の模試受験者のレベルが高めなのかと思いきや、いっぽうで、SAPIXや四谷大塚では43~44くらいの学校が、Z会では48だったりすることもあります。
一見めちゃくちゃなようですが、これは過去のZ会員の成績と合格実績を分析した結果なので、根拠のない数値ではありません。実際、最難関校の合格者も結構な数で出ています。
どういうことか考えてみた結果、次の2つの仮説に思い至りました。
・模試の難易度的に高偏差値が出にくい
・Z会の得意な学校と不得意な学校がある
それぞれ以下に説明します。
模試の難易度的に高偏差値が出にくい
これが最大の理由かもしれませんが、SAPIXの模試は難易度が高く、満点に対して受験者平均点が5割もありません。
いっぽう、Z会は難しすぎる問題がなく、平均点は6割近くあったりします。
平均点が高いと、高偏差値を取ることは困難です。
Z会の偏差値表で最難関校の偏差値が低めなのは、そのせいかもしれません。
SAPIXの模試のほうが、最難関レベルの合否の解像度は高いといえそうです。
ただし、個人的にはZ会の判定模試が好きです。サピのように一部の天才しか解けないであろう問題がないため、復習のしがいがあるからです。難しすぎない問題のほうが、現段階での弱点克服には役立ちます。
Z会の得意な学校と不得意な学校がある
これは、Z会の合格実績をみても思うのですが、Z会が向いている学校と、そうでもない学校があるように思います。
Z会の教育方針はおそらく、暗記しなければならない知識や解法は最小限にして応用力・記述力を鍛え、合格点を確実に点を取れるようにするというものです。
細かい知識をひたすら詰め込むタイプではありません。そのため、細かい知識問題ばかりを問う入試や、典型問題ばかりでちょっとした知識不足が命取りになるような入試問題を出す学校にはあまり向いていない感じがします。
逆に、じっくり考える力を問うような入試や、記述力が必要になる入試には、Z会の強みが発揮されているように思われます。
Z会模試の合否判定が他塾の偏差値表と比べてズレているのは、そのためなのではないでしょうか。
Z会の志望校判断テストの志望校判断表の偏差値が甘いと思われる学校はZ会向きということ。
すなわち「渋幕も射程内?」と思いたい親バカの考察でした。