アメリカザリガニの飼育は身近で簡単ですが、実は厄介なところがあります。
飼育を始めてから後悔することがないよう、持ち帰る前に次のことを十分検討することをお勧めします(自らの反省から)。
頻繁な水替えかエアーポンプが必要
ザリガニを飼うには、少ない水で飼う方法と、深い水槽でエアーポンプを付けて飼う方法があります。
少ない水で飼うとどうしても水が汚れるのが早いので、頻繁に水を替える必要があります。そうしないと、室内では悪臭、屋外ではボウフラ大量発生の原因となってしまいます。
水槽で飼うのなら良いのですが、初期投資が必要になります。
屋外で飼うとボウフラが沸きやすい
臭いのは嫌だから、と屋外で飼おうと考える人もいるでしょう。ザリガニは強いので、暑さ寒さなどには結構耐えることができます。
しかし、ボウフラが沸きやすいという大きな問題があります。ザリガニはボウフラのエサを供給する一方で、ボウフラを積極的に食べることはないからです。
ボウフラを防ぐには、産卵しにやってくる蚊の侵入を物理的に防ぐ必要があります。
魚といっしょに飼えない
ボウフラが増えるなら、ボウフラを食べてくれるメダカなどの魚をいっしょに飼えばいい、と思うかもしれません。しかし、ザリガニを魚と共存させるのは困難です。ザリガニは基本的には夜行性なので、よほど大きい魚でない限り、夜間、魚の活動がにぶっているときに襲って食べてしまいます。ザリガニを飼育するなら、単独(単種)で飼育することになるでしょう。
ちなみに、ボウフラを食べることで有名なカダヤシ(蚊絶やし)は特定外来生物に指定されたため、原則として飼育は禁止されています。
繁殖力が高い
ザリガニのオスとメスを飼うと抱卵して大量の稚ザリガニが発生します。狭いところで飼えば共食いして減りますが、ちゃんと飼育すれば増えすぎてしまいます。
増えることを望まない場合、飼うのは一匹だけにしておきましょう。
5年も生きる
ザリガニは強いのでかんたんに飼育できますが、その寿命は5年くらいと言われています。
それだけの期間、飽きずに世話を続けられるでしょうか。
侵略的外来種に指定されている
上記のとおり、ザリガニの飼育は意外とやっかいです。しかし、飼育できなくなったとき、再放流することは慎みたいものです。アメリカザリガニは特定外来生物(飼育が禁止される)には指定されていないため、再放流に法的問題はありませんが、自治体によっては条例で禁止されているところもあります。
アメリカザリガニは外来種であるだけでなく、生態系に悪影響を及ぼす「侵略的外来種」に指定されているからです。もはやなじみのあるアメリカザリガニではありますが、水草でも魚でもなんでも食べる生物が大量に増えて影響がないわけがありません。アメリカザリガニが日本全国に生息地を広げてしまった背景には、飼育を放棄して再放流する人が多いことが挙げられます。現状以上の生息地拡大は避けたいものです。
最期まで責任をとって飼うか、食べましょう。
ザリガニは美味しい
私は食べたことはありませんが、アメリカザリガニは意外と美味しいようです。北欧家具のイケアでもザリガニパーティを定期的に開いていますし、千葉県でも田舎のほうではザリガニ料理を売り出している店を見かけます。
うちの息子は何でも「捕って食べたい」という困った性格です。そのため、ザリガニも食べたいと言うのではないかとビクビクしていたのですが、聞いてみたところ「ザリガニは可愛すぎて食べたくない」そうです。かわいいというのは理解できないながら少し安心しましたが、イケアなどで機会があれば食べてみたいなとも思っています。私の遺伝か…