信号のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者がいたら、自動車は一時停止しないといけません。これは交通ルールであり、違反すると罰則もあります。しかし、日本では 9 割くらい、この一時停止が行われていないそうです。
それではいけない、と思って実際に一時停止することを徹底してみたところ、思わぬ事態に何度も遭遇することになりました。
ケース1:停止しても横断してくれない
歩行者優先の交通ルールを知らないのか、「なんで停まってるの?」と不思議そうにじっと見つめてくるのです。これは、「
車は危険」ということを徹底してしつけられている子どもに多い反応です。
あまりに多いので、「どうぞ先に行ってください」と手振りで伝えることにしました。ゆずってもアワてて逃げるように横断する人が多いので、逆に恐縮してしまうこともしばしばです。
ケース2:停止しても見てくれない
車がゆずらないのが当たり前のことになっているためか、車を一時停止させても、それを見てくれない歩行者も多くいます。これは、チラ見した車が通りすぎる時間を予測してから横断しようとしている若い人たちに多い反応です。
そういう人は横断歩道で止まるとスマホをチェックしたり別の方向を向いたりするので、車が停まっていることになかなか気づいてくれません。
一時停止することでむしろ時間がかかる!?
謙虚なお年寄りの方などは、渡るのに時間がかかるので待たせて悪いと思うのか、「先にどうぞ」と譲り合いになり、なおさら時間がかかることもあります。
かと思うと、「さっさと行けっ!」と首を激しく振って合図する怖いオバさんもいたりします。
こうした反応があまりにも多いので、交通量の少ない道路では、一時停止することによって自動車、歩行者ともに余計な時間がかかってしまうことが多々あります。
一方、交通量の多い道路では別の問題もあります。信号のない横断歩道で停止することを後続車が予測しておらず、スムーズに停まれないことがあるのです。特に車間距離が近いときなどは、危険を感じることすらあります。そんなことがあるため、一時停止するときは、余裕をもって、後ろの車の運転手がちゃんと前を見ているかも確認しながらブレーキを踏む必要があり、結構気を遣います。
これらの問題は、自動車が歩行者をゆずらないことが当たり前になっているからでしょう。正しい交通ルールなのに、一時停止すると逆に変な人のように見られてしまうのです。
でも、この習慣は続けます。違反切符を切る警察もいるみたいだし、少しずつ、このルールにみんなが気付くようになってほしいからです。