もし、子どもを残して死ぬようなことがあればどうなってしまうのか、今更ながら考えてみました。千葉県民共済に入っているので、これと他の民間生命保険について、保険料(共済掛金)と期待値を比較してみます。
県民共済の死亡保険
県民共済は死亡だけでなく入院や後遺障害もカバーされますが、一番人気の「総合保障2型」では、18~60 歳までで、死亡時に 400 万円~1,000 万円の共済金が出ます。
病気が 400 万円、不慮の事故が 800 万円、交通事故が 1,000 万円です。
掛け金は月々 2,000 円ですが、割戻金があるので、実質約 1,288 円(2017年度)です。
生命保険会社の死亡保険
終身タイプもありますが、共済と同じ土俵で比較するため、掛け捨ての定期保険で考えてみます。
おそらく一番安そうな、SBI生命の「クリック定期!」で検討してみます。
35歳、男性、保険金額 1,000 万円、10 年で見積もると、月々の保険料は 1,310 円となりました。
保険料は、10 年ごとに見直しなので、毎回上がるのでしょう。障害に対しても 1,000 万円が保障されますが、県民共済と違って対象は高度障害のみです。複雑なので、今回は死亡保険だけに注目します。
そもそも死亡する確率はどのくらい?
厚生労働省の簡易生命表を見ると、35 歳の 10 万人中の生存数が 98,656、45 歳の生存数が 97,634 です。
つまり、10 年間に死ぬ人は 1,022、割合でいうと 1% です。
ちなみに交通事故の死亡者数はこの年代で全国で約250人なので、10 年間に交通事故で死ぬ確率は 0.03 % くらいでしょう。
「不慮の事故」も死因としては交通事故死の 6 倍くらいなので、死因の 8 割くらいは病気や自死でしょう。
期待値で見る死亡保険のコスパ
もしもの場合の保険を期待値で比べるのはナンセンスですが、掛け金が高いか安いかの目安にはなります。
県民共済の場合、10 年間の掛け金の総支払額は約 15.5 万円です。これに対し、死亡で受ける共済金の期待値は約 5 万円です。
一方、定期生命保険の場合、10 年間の保険料は約 15.7 万円とほぼ同じですが、死亡で受ける共済金の期待値は約 10 万円です。
どちらがよいか
死亡保険だけで見る場合、定期生命保険のほうが費用対効果は高くなります。しかし、入院保障もあることを考えると、県民共済はやはり安いといえます。共済に入ったうえで、不足分を民間生命保険で補う形が理想的なのではないでしょうか。
ただし、若い世代が死亡保険金をもらう可能性は低いものです。貯金などで何とかなる範囲ならば、保険は入らないほうが期待値としては得になるでしょう。
注意が必要なのは、年齢が上がると状況が変わることです。
たとえば、50 歳のケースを考えてみましょう。
50 歳から 10 年間の試算
共済の掛け金は 35 歳のときと同じですが、生命保険の保険料は更新ごとに増え、月 3,990 円、10 年で約 48 万円(約 3 倍)にもなります。
上記と同じ計算で以後 10 年間の死亡率が約 3.9% になるので当然のことですが、この場合、死亡保険だけを見ても県民共済のコスパが優れることになります。
コスパが優れているどころか、この計算上、県民共済では期待値が掛け金を上回ります。掛け金以上の共済金を受けられる可能性が高いので、年齢が高くなれば、総合保障4型など、共済金をなるべく多くかけたほうがお得です。
そういう人が増えると若者(?)としては割戻金が減って困るのでデメリットを書いておきますが、もちろん、共済は一生同じ保障を受けられるわけではありませんし、病気も死亡もしなければ掛け捨てになるだけです。
家庭の事情しだい
死んだときにいくらの保険金が必要かは、ケースによって大きく異なります。特に、遺族の収入・資産、住宅ローン(団信保険)、他の保険などの状況などが大きく影響してきます。
私の場合、妻が一人でも稼げるので、葬式代があればいいくらいに思っています。子どもの教育費も、何とかなります。貯金があれば、死亡保険はなくても構わないくらいです(まだ足りませんが…)。
ネット情報裏話
ネットで県民共済などを検索すると、それだけでは不十分といって民間保険を勧める情報がたくさん出てきます。
これは、そのサイトを通じて保険の見積りをしたり、加入したりすると、紹介者の収益になるからです。
民間保険がすべて悪いわけではないし、県民共済だけで十分であるというわけでもありませんが、掛金に対する支払金額の割合が非営利の共済のほうが高いのは事実です。まどわされないようにしましょう。
以下の書籍を購入すると、私の収益になってしまいますよ。